デトランジション

性別移行(トランジション)をいったん経験した後、移行を中断・停止・または元の性別表現・社会的役割に戻るプロセスを指す。医療的な移行(ホルモン療法・手術)を逆行させる場合と、社会的な移行(名前・代名詞・服装)を変更する場合がある。デトランジションの理由は多様であり、家族や職場からの圧力・社会的孤立・医療へのアクセス困難・移行後に異なるアイデンティティが明確になったことなどが挙げられる。重要なのは、デトランジションはトランスジェンダーのアイデンティティ全般を否定するものではなく、個人の経験として尊重されるべきだという点である。一方でTERFや反トランスの論者が「デトランジション者の増加」を移行医療への反対根拠として利用するケースがあり、当事者の経験が政治的に道具化されることへの批判も強い。→トランジション、→TERF