ゲイ・レズビアンが異性愛規範(ヘテロノーマティビティ)に合わせた「良識的な」ライフスタイル——婚姻・核家族・消費・政治的穏健さ——を志向することで社会的承認を得ようとする傾向、およびその規範を指す。政治理論家リサ・ダガンが2002年に提唱した概念。同性婚の法制化・同性カップルの消費文化への参入などが進む一方で、クィアの政治的急進性や、異性婚制度そのものへの批判が弱まることへの批判的な視点から生まれた。「良いゲイ・良いレズビアン」(結婚して子どもを育て、納税する市民)として承認される代わりに、制度から外れるクィアや性的に周縁化された人々が切り捨てられるという構造を問う。ピンクウォッシュやピンク経済とも接続する概念で、可視化と包摂が必ずしも解放をもたらさないという問いを提起する。→ピンクウォッシュ、→クィア理論
