男性ホルモン(アンドロゲン)は、男女問わず存在する性ホルモンで、主に精巣でつくられます。代表的な男性ホルモンにはテストステロンがあり、生殖機能や筋肉、骨格などの成長に関わります。また、心身の健康維持にも関わっており、思春期や成人後も心身への影響に関与するとされています。
テストステロンの3つの重要な働き
1.筋肉や骨格の成長を促す
第二次性徴期に急に身長が伸びたり、声変わりやヒゲが濃くなるなどの作用は思春期にテストステロンが大量分泌されるために起こります。
2.性欲や性衝動を起こさせる、勃起のスイッチを入れる
フェロモンを発生させたり、骨盤神経に働きかけ勃起を促すなど性行動に必要な作用もテストステロンによるものです。
3.前向きな思考や高い集中力、やる気を働かせる
テストステロンは大脳に作用するため前向きな思考や決断力を働かせる作用があります。気力・やる気といった精神面にも影響を及ぼします。
テストステロンが減少すると
テストステロンは男性の身体と精神の重要な部分に働いているため、減少すると様々な症状が現れます。
■ 性行動にまつわる症状
・性欲の減退、性的興奮の低下
・朝勃ちの減少
■身体的症状
・筋力の衰え、力が入りにくい
・腹部の脂肪増加(腹囲のあきらかな増加)
・メタボリックシンドローム(内臓肥満、高血圧、高血糖、脂質代謝異常の複合症候群)
・休んでも取れない疲れ
・頻尿、残尿感
■精神的症状
・やる気や集中力、記憶力の低下
・不安感による不眠、寝付きの悪さ
・イライラする、気分が落ち込む
・急に不安になる
■自律神経症状
・耳鳴りやめまい
・汗をかきやすい、のぼせ、手足の冷え
・動悸、息切れ
テストステロンの減少による症状の中でよく見られるのが性行動にまつわる変化、体型の変化、精神面の変化です。●